【FPに相談・家計のあれこれ③】初めての出産にまつわるおサイフ事情~妊娠中から学資保険まで~家計管理で不安を払拭しよう!
保険の加入や住宅購入など、ファイナンシャルプランナー(以下「FP」)に相談する【FPに相談・家計のあれこれ】コーナー。シリーズ第3弾は、「初めての赤ちゃんを迎えたい!」というご家族からのご相談です。
目次
30代男性 Cさんのお悩み
「教育資金に備える学資保険は、妊娠中から入ることができるのか?」などといった情報も紹介しているのでお楽しみに。
妊娠・出産はどのくらい費用がかかるの?
出産する場所によって変わる出産費用。平均は約50万円!
公益社団法人 国民健康保険中央会の「出産費用 平成28年度」によると、出産費用の平均は約50万円。「そんなに高額?」と驚かれる方も多いかもしれません。また、約50万円というのは平均金額なので、たとえば豪華な産院で出産する場合とアットホームな助産院など、場合によって費用が大きく変わります。
出典元:公益社団法人「国民健康保険中央会「出産費用 平成28年度」」
https://www.kokuho.or.jp/statistics/birth/
初めての妊娠・出産の場合は、「出産は病気ではないので、健康保険の適用外」という事実にカルチャーショックを受ける方も多いようです。一方で、健康保険組合から「出産育児一時金」などが出るので、実際に自分で支払う費用負担は意外に少なく10万円弱ほどになる計算です。
次項から、「出産育児一時金」などの詳しい内容や、公的補助などについて確認してみましょう。
妊娠・出産には、公的補助が盛りだくさん!
初めての妊娠・出産の際には、どのような公的補助などがあるのか気になりますよね。ここでは主な制度をご紹介します。
《出産育児一時金》
出産育児一時金は、出産した際に支給される一時金です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)は、Webサイトで「妊娠4ヵ月(85日)以上の方が出産したときは、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は39万円(平成27年1月1日以降の出産は40.4万円))出産育児一時金が支給されます」と公表しています。
出典元:全国健康保険協会(協会けんぽ)「出産育児一時金」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r310/
出産する本人が健康保険組合に加入していればご本人の名義で、本人が扶養家族の場合は配偶者の方の健康保険組合から支給されます。
ちなみに産科医療補償制度とは、分娩に関連して重度脳性麻痺となったお子さまが速やかに補償を受けられる制度のことです。
《出産手当金とは》
出産のために会社を休むと、その間の給与はどうなるのか気になりますよね。出産の休業には、出産手当金が健康保険組合から支給されます。出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。
また、出産が予定日より遅れた場合、その遅れた期間についても出産手当金が支給されます。
《自治体等の取り組みで支給される出産補助金や祝い金》
自治体も出産助成金などで出産を応援している場合がありますので、お住まいの自治体のホームページなどをチェックしてみましょう。
例:
- 東京都渋谷区:ハッピーマザー出産助成金、1人の出産につき限度額100,000円
- 東京都中央区:出産支援祝品(タクシー利用券1万円分)
- 各自治体:妊婦検診の14回分について、各自治体から助成が準備されています。助成額は自治体により異なるので、お住まいの自治体へお問い合わせください。
※2021年10月28日現在
出産育児一時金の「直接支払制度」とは?
「出産費用の50万円、現金で持ち歩くのは不安かも」という方におススメしたいのが、出産育児一時金の「直接支払制度」です。出産前に、医療機関と「出産育児一時金の支給申請及び受取りに係る契約」を窓口で結んでおけば、医療機関が健康保険組合に申請を行って、出産育児一時金の支給を受けられる制度です。
実際には、出産する方が医療機関の窓口で出産前に
- 「出産育児一時金の支給申請及び受取りに係る契約」を結ぶ
- 医療機関が出産育児一時金を健康保険組合から直接支払いを受ける
- 出産後、退院の際にかかった金額から出産育児一時金を引いた差額のみ負担する
という流れになります。
この制度を利用すれば、高額な現金を持ち歩く必要はなくなります。手続きが簡単で多くの医療機関が採用していますので、出産する医療機関が決まりましたら、窓口で相談してみましょう。
「産休」と「育休」って、具体的にどのくらい休めますか?
産休は、「産前休業」と「産後休業」を合わせた期間休むことができます!
具体的には、「産前休業」は出産予定日の42日前(双子以上の多胎妊娠の場合は、98日前)から、働く妊婦さん全員が取得できる休業制度です。
「産後休業」は、出産の翌日から8週間です。産後休業期間は、出産という大仕事を終えたお母さんの体の保護のため、就業は原則禁止されています。
産休は、企業などで働く女性が無条件で取ることができる休業制度です。契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなどの方でも取得可能となっており、働き方に関係なく取れるのが嬉しいところですね。
また、産休中は、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料の支払いが免除されます。
「育休」は、「育児休業」のこと。具体的にいつまで休めますか?
お子さまをゆっくり育てるための「育児休業」は、原則として産後休業終了日の翌日からお子さまの1歳の誕生日前々日まで取得可能です。また、保育園などに入所できず、お子さまの保育環境が確保できない場合は1歳6か月、再取得で2歳まで延長することが可能です。
ただし、育児休業の取得については雇用期間や状況によって対象外となる場合があります。
<対象労働者>
・労働者(日々雇用を除く)
・労使協定により対象外にできる労働者
・入社1年未満の労働者
・申出の日から1年以内に雇用期間が終了する労働者
(1歳6か月までの育児休業の場合は、6か月以内に雇用期間が終了する労働者)
・1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
※配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合等の労働者は、労使協定を締結しても対象外にできない
・有期契約労働者は、申出時点において、次の要件を満たすことが必要
①入社1年以上
②子が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでないこと
出典元:厚生労働省「育児・介護休業制度ガイドブック」(P2)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h27_12.pdf
「パパ・ママ育休プラス」も!男性だって「育児休業」が取れます
ここまでは女性目線の支援制度をご紹介しましたが、育児休業はもちろん男性も取得できます。厚生労働省のガイドブックにも「1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は会社に申し出ることにより子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できます」と明記されています。
出典元:厚生労働省「育児・介護休業制度ガイドブック」(P4)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h27_12.pdf
男性が取れる育児休業の「パパ休暇」は、通常の育児休業の取得は原則1回までのところ、子の出生後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合には、その後、再度の育児休業が取得できる制度です。
出産直後の育児が大変な時期にパパも休暇を取れるのは、ご家族にとって大きな安心になりますね。
パパ休暇のイメージ
また、「パパ・ママ育休プラス」制度では、両親がともに育児休業を取得する場合、1歳までの育児休業期間を、お子さまが1歳2か月に達するまで(2か月分はパパ(ママ)のプラス分)に延長することが可能です。
「パパ・ママ育休プラス」のイメージ
初めてのお子さまを家族に迎えるのに、パパとママの協力は欠かせませんね。お仕事の都合等をよく話し合って、お子さまとの思い出いっぱいの1年にしてみてはいかがでしょうか。
「育児休業給付金」ってなに?いくらもらえるの?
育児休業中の生活を支えるのが「育児休業給付金」です。雇用保険の被保険者の方が、1歳(事情により1歳6か月、再取得で2歳まで延長可能)未満のお子さまの子育てで育児休業をする場合は、一定の要件を満たすと支給を受けることができる給付金です。
「育児休業給付金」の基本の計算式は以下の通りです。
休業開始時賃金日額×支給日数×67%
(ただし、育児休業の開始から180日経過後は50%になります)
気になる実際にもらえる金額を、例を挙げて計算してみましょう。
《平均して収入が月額15万円程度の場合》
- 育児休業開始から6か月間の支給額は月額10万円程度
- 6か月経過後の支給額は月額7.5万円程度
《平均して収入が月額20万円程度の場合》
- 育児休業開始から6か月間の支給額は月額13.4万円程度
- 6か月経過後の支給額は月額10万円程度
※正確な金額はハローワークにご提出いただく雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により、休業開始時賃金日額が確定して算出されます
《平均して収入が月額30万円程度の場合》
- 育児休業開始から6か月間の支給額は月額20.1万円程度
- 6か月経過後の支給額は月額15万円程度
育児休業給付金は以下の要件をすべて満たすと受給できます。
要件とは、この場合は受給条件(資格)と考えてください。
《受給するための要件・パートなどの有期雇用労働者の方》
- 1歳未満のお子さまがいること
- 雇用保険に加入していること
- 育休前の2年間に被保険者期間が12か月以上必要(働いた日数が11日ある月を1か月とします)
- 育児休業開始時点で、同一の事業主の下で1年以上雇用が継続していること
- お子さまが1歳6か月までの間に労働契約が更新されない予定であること
また、育児休業給付金の受給は、在職中の事務所を所管するハローワークに原則2か月に1回申請します。詳しくは、お近くのハローワークにてご確認ください。
教育資金はどうする?学資保険は利用すべき?
子どもの学費を準備する王道は学資保険
お子さまの将来の教育資金の備えとして、学資保険をご検討中のご家族もあるかもしれません。多くの学資保険は妊娠中から加入可能で、あってはならないことですが、妊娠中の万が一にも備えられる保険です。また、契約者であるご両親にもしもの場合は、その後の保険料の払込は不要になり、満期保険金を受け取ることができます。
ただし、現在の金利低下により、途中解約した場合は元本割れの可能性もあります。契約期間が20年弱と長いため、「将来のインフレリスクに対応しにくい」「満期までお金が固定されてしまう」というデメリットもあります。
一方で、「教育資金のため」という心理的しばりで、着実に教育資金を貯められるという側面もあります。
また、メリットとして、学資保険は生命保険料控除の対象になります。学資保険で払い込んだ年間の保険料は、年末調整や確定申告の際の生命保険料控除を受けられます。
増やしながら学費に備えるなら「つみたてNISA」の活用も
学資保険の投資商品としての旨みが激減した現在、発想を変えてみてはいかがでしょうか。「つみたてNISA」なら長期間コツコツ積立することができ、値上がり益に税金がかからない金融商品です。
メリットとしては、つみたての金額や金融商品の選択などの自由度が高く、急な出費に対しても換金性に優れています。デメリットとしては、保険ではないので、残念ながら保険料控除は使えません。また、万が一に備える保険の機能もありません。
金融商品のため、値上がり益を得られる可能性がある反面、値下がりしてしまう可能性もありますが、教育資金の備えの一環として検討してみてはいかがでしょうか。
大学生の給付型奨学金登場!高校生も授業料無償化がトレンドに
これから生まれるお子さまの教育資金の備えをご紹介してきましたが、国の教育資金への支援制度も年々充実してきています。
日本では小学校と中学校は義務教育で、無償で教育を受けることができます。高等学校進学も「高等学校等就学支援金制度」で、「国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯(※年収約910万円未満の世帯)の生徒に対して、授業料に充てるため、国において高等学校等就学支援金を支給します。」と記載されている通り、支援が受けられるようになりました。
出典元:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm
また、2020年4月から、大学生向けの給付型奨学金も登場しています。国の制度で、保護者の所得制限がありますが、大学・専門学校等を対象とした返済不要の奨学金です。対象は住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生で、授業料・入学金の免除または減額と、給付型奨学金の支給を受けられます。
さまざまな支援制度の登場で、教育資金計画も「しっかり貯めつつ柔軟に運用」するスタイルが求められています。金融商品の選択と合わせて、情報収集のアンテナを張っておくことも必要かもしれません。
新しい家族を迎える前に・・・家計管理で資産の見える化をしよう!
家計簿で現状を把握し、急な出費に備えられるように準備をしよう
出産には多くの公的支援があるとご紹介してきました。一方で、ご家庭内でも家族が1人増える「出産」をきっかけとして、家計にもさまざまな変化が予想されます。お子さまのオムツやミルク代などの出費や、保険の見直しなども必要になるでしょう。
こうした変化に対応するには、家計簿で現状の収支を把握しておくと安心です。ご夫婦が事故や病気で働けなくなった場合にも、生活費がどれだけ不足するかなども事前に予測することができます。また、独立開業などの将来の夢の実現にも、日々の家計管理の他に、資産の全体像を把握することが重要です。
日々の家計簿で無駄が分かれば、急な出費に備える貯金もスムーズにできるようになります。教育資金の備えとともに、日々の家計管理と資産全体の把握を進めましょう。
一つの口座でお金を分けられるサービスを上手に使って家計管理!
dアカウントをお持ちの方におすすめのサービスが「dスマートバンク」です。dアカウントと三菱UFJ銀行の口座があればご利用可能で、アプリ内では一つの口座で15個まで目的に合わせた「貯金箱」を作ることができます。
自分で決めた金額を自動で貯金箱に入金できるので、お子さまの将来資金のための貯金に役立てられます。
dスマートバンクアプリのダウンロードはこちら
iOSの方はこちら
https://apps.apple.com/JP/app/id1617035497?mt=8
Androidの方はこちら
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nttdocomo.android.bankapp&hl=ja
また、dスマートバンクで利用できる「はたらく貯金箱」機能では、プロとAIにおまかせで、金融に関する知識がなくても少額から気軽に資産運用にチャレンジすることができます。
dアカウントを紐づけた三菱UFJ銀行の口座、もしくはdカードにTHEO+ docomoの積立が設定されている必要があります。
お子さまの将来資金を増やすために、かんたんに投資をはじめてみてはいかがでしょうか。おまかせの資産運用ができるTHEO+ docomoについて、詳しくは以下のページをご覧ください。
THEO+ docomo
https://docomo-inv.smt.docomo.ne.jp/theo/
※はたらく貯金箱は、三菱UFJ銀行のサービスではありません。
初めてのお子さま、迎える前に情報収集と家計の見直しを!
こちらの記事では、出産費用の平均やもらえる公的援助、男性も取れる育児休業などをご紹介しました。
- 出産費用は場所によって変わり、平均は約50万円
- 出産育児一時金は42万円、出産手当金は出産で休んだ期間を対象に給与の補填の意味合いで給付がある
- 産休は「産前休業」と「産後休業」を合わせた期間で、出産予定日の42日前から出産後8週間お休みできる
- 育児休業は男女取得可能で、原則お子さまの1歳未満まで(申請で1歳6か月、再取得で2歳まで)
- 「育児休業給付金」は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から180日経過後は50%)」の計算式で算出した額を受け取れる
- 教育資金の備えは、学資保険やつみたてNISAなどで柔軟に備えよう
- 家族が増えるタイミングは家計見直しのチャンス。日々の家計管理のやり方も振り返ってみよう
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